企業内違法コピーは、企業の根幹を揺るがしかねないセキュリティ上の重大な問題です。違法コピー対策は、けっして難しくはありません。ごく一般的なソフトウェア管理を行えば、そのほとんどは防止することができます。ただ、やっていないだけなのです。
違法コピーは企業の存続と経営の根本に影書を及ぼす大間悪
ソフトウェアの企業内違法コピーが問題になっています。ひとたび違法コピーが明るみにでると、社会的信用の失墜、企業倫理、社員のモラルなど、企業としての根幹をゆるがすことになります。
特に本来、著作権意識が高くなくてはならない、ソフトウェアベンダーやリセラーが違法コピーをしていたら致命的です。倫理面での不祥事に対するリスクは極めて大きく、情け容赦のないものです。そういった意味で、違法コピーはセキュリティの重要な問題といえます。
この企業内違法コピーは、適切なソフトウェアの管理をしっかり行えば、そのほとんどは防止することができます。ただ単にやっていないだけなのです。ソフトウェアの管理をまだ実施していない企業は、今すぐ始めることが重要です。かならずしも特殊な違法コピー対策ツールを導入する必要はありません。ごく簡単なガイドラインや管理台帳を作成するなどして、適切な管理をしていれば十分です。通産省の「ソフトウェア管理ガイドライン」も参考になるでしょう。
ソフトウェアライセンスの形態
ソフトウェアのライセンスを管理するうえで、どのソフトウェアがどのようなライセンス形態になっているのかを知ることは重要です。そのため、ソフトウェア添付の使用許諾契約書を読まなければなりません。どの使用許諾契約書も、同じような内容ですが、ポイントさえ押さえれば大丈夫です。
ライセンス契約の形態は無限です。より適切でリーズナブルなライセンス形態を選択するのが、ライセンス管理と経費削減の最大のポイントです。
ライセンス管理の方法
ライセンス管理は、一般に「調査」から「管理」へのステップを踏んで行われます。ソフトウェアがない企業は多分存在しないでしょうから、まず調査を行いましょう。ライセンス管理は、たんに違法コピーを未然に防ぐだけではなく、
- 会社資産の把握
- 社内標準ソフトウェアの明確化
- ソフトウェアのバージョンの統一化(ファイルの互換性の確保)
- 計画的なソフトウェアの購入
- ウィルス感染の防止(出所不明のソフトウェアの排除はウィルス撲滅の第一歩)
などの副次的効果もあります。管理台帳は人事異動、組織変更のたびにメンテナンスが必要です。社内規定の制定(セキュリティポリシーに含めても構いません)や誓約書の提出も重要ですが、絵に措いた餅にしないためにも、定期的な監査が必須です。社員の私物ソフトウェアの使用を認めるか否かについては、セキュリティ観点から十分に検討する必要があるでしょう。